りんご野イベント、テロ後のパリ便り

Posted on by on 12月 31st, 2015 | 0 Comments »

こんにちは。今年も残すところ数時間、みなさまはどんな年を過ごされたでしょうか。

DSC03751りんご野はメンバーの暮らすフランスと日本各地で寄せられた募金を元に活動しています。フランスの2015年はテロに始まりテロに終わる形になってしまいましたが、何の因果か、2度ともりんご野の資金集めのイベントが同じ時期に予定されていました。特に12月6日に開催したイベントは騒乱の直後(というより最中?)だったこともあり、この時期にフランスから一万キロ近く離れた日本の子ども達のための活動を続けることの意味を否応なく考えさせられました。友人・同僚を亡くした仲間たちもいた中で、不特定多数のパリの人たちに、一体どんな言葉で呼びかけられるのか。。。ちょうどプログラムの告知を始めようとしていたタイミングでもあったので、あらかじめ書いておいた紹介文を何事もなかったかのように投稿するのもはばかれ、加筆修正したり、またネット告知だけでなく様々な機会にチラシを手配り、そこで出会う人たちと話したりしながら、一つのテーマを巡って様々な人たちが様々な理由で一つ所に集まる「イベント」という催しは、やっぱり純粋な資金集め以上の意義があるんだなあ、と改めて実感させられました。

会場の方がイベントの一部をビデオに編集くださいました。2分くらい(8:14くらいまで)なので、よろしければこちらのリンクからご覧ください。

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オープン前からぼちぼち

直接いただいた反応では、「ここで立ち止まっちゃだめ」とか、「こんな時だらこそ寄付したい」とか、「外国の出来事に関心を持ち続けるのは大切」とか、「みんなで集まれてよかった」、「メルシーりんご野」などなど、かなり好意的で(近所で起こった銃撃戦の最中に率先してイベント告知してくれたツワモノもいました)、逆に「時節をわきまえろ」とか、「それどころじゃない」とか、最初に危惧したような反応は一切ありませんでした。


長くなってしまいますが、以下ほんの少しだけ報告します。

会場のLa Généraleは、パリでも活気のある11区に立地し、電気会社跡を改装した文化施設で(といっても見た目は倉庫)、普段はアーティストレジデンスや映画上映、コンサート、討論会などが企画され、屋上には植物園・菜園が潜んでいたり(りんごの木も多数)、なかなか興味深い場所です。パリ気候変動会議COP21を機に企画したイベントシリーズの一環として、りんご野も招待くださいました。

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ひっそり踊る

ここはテロ現場からほど近いのですが、必要以上に警戒したり萎縮したりするような気配はありませんでした。さらに今回は入場無料で、フリマなども企画していたのと、日曜の夕方から夜かけてという時間帯も幸いしてか、子ども連れのお客さんも多く、赤ちゃんから80代までというかなり広い客層に恵まれました。のべ6時間の開催で、出入りが多かったので、正確な来場者数は分かりませんが、控えめに見ておそらく200人くらい。笑い声も絶えず、終始なごやかで温かい雰囲気でした。

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いてもたってもいられず


オープニングの岡部望さんの演奏では、会場の真ん中にぽつんと置れたピアノから奏でられるベートーベンの『田園』に大いに刺激されたおちびちゃんが鍵盤に大接近、イベント主催者の意向でしばらく放置していたのですが(私。すみません)、その後ちゃんとお母さまにしつけられてました。そして日本から来パリ中だったダンサーの山田有浩さんが飛び入り参加。その後は
DJギヨム・ギヨムによる日本の祭り囃子や鉄道人夫の歌など。

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警戒区域の記録と空気展示

今回もベルラド研究所を支える団体「チェルノブイリ・ベラルーシの子ども達」に参加いただき(りんご野の活動を始めるきっかけになったベラルーシの研究所)、ショートムービーを上映・コメントしたほか、団体メンバーのCatherine Lieberさんが、原発作業員に捧げる中世歌曲をアカペラ歌唱。その後はKalinka Blumによる旧ソ連YouTubeミックスでチェルノブイリの放射能雲へ思いを馳せつつ、展示やブースを一望すると、大熊町の警戒区域で採集してきたばかりの空気を展示している妹尾沙代さんがいて(その節はフロンティア南相馬の草野さんと避難中の原田さんに大変お世話になりました!)、その向かいには、広島で制作された0歳から100歳までの住民の肖像『Talk to Hiroshima』と、「メルシー」や「ノーニューク」などの言葉が絶妙な絵になってTシャツに刷られたLittle Fukushima T-shirt(どちらも西村麻美さん)、

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りんご野の活動の説明中

その傍らで、山中久子チームが大奮闘してくれた煮込みうどん100食分と、高野麻衣さんがチャチャーっと作って来てくれた唐揚げとおにぎり、りんご野チームによるホットリンゴジュース(冬の青森で学び、パリのステファニーにしょうがスパイス入りで作ってもらった)など販売、その隣では南仏から駆けつけてくださった80代の画家Axel Mesnyさんが絵を展示(イベントもかなり楽しんでくださり、最後に絵を一枚りんごたわしと交換いただきました♡)、パリのマレ地区にお店を構える日本人デザイナーChikako InoueさんのブランドIkitabi by Trazita(りんご野開始当初から随分お世話になってます)、その隣に上記の「チェルノブイリ・ベラルーシの子ども達」ブース、また津波の絵を描いた絹の着物を展示し、被災地を訪れ撮影した映画の紹介するGorellaume、さらにドイツの原子力発電所を風景画として伝統的な大皿に焼き上げたAtomteller、さらにみんなの寄付でできたフリーマーケット、さらにりんご野ブース(大人気のりんごたわし他、新作エコバッグも登場)、、、

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アカペラ即興歌唱、マイクもいらない

ぼちぼち日も暮れ、これといった暖房設備のない12月の会場で、うどんとホットリンゴジュースとDJで暖をとりつつ、イベントはまだまだ続きます。ソプラノ歌手のAngelique Greuter さん率いるLe Petit Collectif、オペラ、民謡、歌謡曲など、それぞれ全く違う分野で活動する4人の歌い手が肩を寄せ合い即興合唱。その後は17歳のピアニスDimitri Malignan君がシューマンの『森の情景』を演奏。トップバッターの岡部望さん同様、りんご野のテーマに添うプログラムを考えてくださいました。アンコールでは11月13日のテロの犠牲者に捧げる自作の曲を披露。

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どこまでも這い回る

ピアノ演奏の拍手がようやく鳴り止む頃、たこ足シルバー?!の衣装に身を包んだElizabeth St-Jalmesがおもむろに上階から登場、Unglee Iziが放つ犬の鳴き声や会話などの音楽に合わせて会場を練り歩き、のたうち回り、みんなに挨拶?!したり、、、そうこうするうちにフリマの叩き売りも始まり、それぞれ思い思いに物色・おしゃべりを続けたり、片付け始めたりしている頃、この日大活躍したピアノがまた響きだしました。演奏していたのはDJUnglee Izi、ミニマル・ミュージックのような、ジャズのような、エリック・サティのような、不思議な即興演奏。そのとき、着替えを終えておしゃべりしていたElizabeth St-Jalmesが「ねえ!福島の踊りってどんなんだったけ?また教えて!」と言うので、会津磐梯山ならぬピアノ演奏に合わせて「かんしょ踊り」即席レッスン(結局毎回踊ってます)。

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サティとかんしょ踊り

その場にいる人たちが、その場の発見や偶然、出会いを喜び、心から楽しんでくれているのがひしひしと伝わってくる時、企画準備をる苦労はどこかに吹っ飛んでしまいます。「子ども達にりんとげんきを」を目標とするりんご野としては、資金集めも「りんごとげんき」で続けていけたらいいなと思います。イベントページでは当日集まった方々から寄せられた写真もご覧いただけますので、さらにりんごワールドを追求したい方はぜひ^^ 

それぞれ大変な中ご来場くださったみなさま、La Généraleのみなさま、アーティストや諸団体の方々、ボランティアのみんな、ありがとうございました。またお会いしましょう。2016年がみなさまにとって実り豊かな年になりますように。

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